「駐車場はありますか」「予約できますか」「支払い方法は何ですか」。店舗には似た質問が繰り返し届きます。AIで回答文を作る前に、正しい店舗情報を一か所に整理すると、スタッフ、Web、SNSの案内を揃えやすくなります。
要点
- FAQは回答文だけでなく、根拠、適用日、更新担当、公開範囲を管理します。
- 資料にない質問では推測せず、店舗確認や有人対応へ切り替えます。
- 古い回答や矛盾する回答を定期点検し、正本を直してから各媒体へ反映します。
結論:回答文より根拠と更新責任を管理する
AIに任せるのは、質問の分類、重複統合、回答案の作成です。営業時間、価格、予約条件、返品、アレルギーなどの事実は責任者が確認します。各FAQに情報源、確認者、更新日を付け、根拠がない質問には答えさせません。
FAQに持たせる項目
お客様の質問
実際の言い回しを残します。「車で行けますか」と「駐車場はどこですか」は同じ意図にまとめつつ、検索表現として両方保管します。
標準回答
結論を先に短く書き、条件や例外を分けます。時期で変わる内容は確認方法を案内します。
情報源
責任者確認、公式メニュー、予約規約など根拠を記録します。AIの生成文自体を根拠にしません。
更新日と責任者
誰がいつ確認したかを残し、定期的な見直し対象にします。
公開範囲
Web公開、スタッフ専用、責任者限定を分けます。防犯情報、個人連絡先、内部手順を公開FAQへ混ぜません。
作成手順
1. 質問を集める
メール、電話メモ、DM、店頭から、個人情報を除き質問だけ集めます。会話全文は不要です。
2. AIで分類する
営業時間、アクセス、予約、商品、支払い、変更・取消、トラブルに分類します。似た質問はまとめても、意味が違うものは分けます。
3. 根拠内で回答案を作る
資料にない場合は「店舗へ確認」と出力させます。
4. 人が承認する
公開前に責任者が事実、表現、例外を確認します。価格、返金、キャンセル、安全は特に慎重に扱います。
5. 更新と停止を決める
情報変更時はFAQの正本を先に直し、その後各媒体へ反映します。古い回答は公開と自動利用を停止します。
想定例:駐車場FAQ
元質問:駐車場はあるか、何台か、満車時はどうするか。
整理例:
- 主質問:駐車場の有無と利用方法
- 必要な根拠:台数、場所、共用条件、満車時の案内
- 標準回答:根拠確認後に作成
- 公開前確認:近隣への無断駐車を勧めていないか
- 更新契機:契約駐車場や台数の変更
台数をAIに推測させず、店舗の最新情報を確認します。これは想定例です。
コピーできる依頼文
以下の質問を店舗FAQとして整理してください。
カテゴリ、代表質問、言い換え、回答案、根拠、未確認事項、公開範囲、更新条件の順にしてください。
根拠にない営業時間、価格、台数、予約可否、返金条件は作らず「要確認」としてください。個人情報や内部連絡先は除外し、回答は結論を先にしてください。
質問:[一覧]
根拠資料:[確認済み店舗情報]
失敗と人の判断
AIが一般的な店舗の常識を補うと、自店にないサービスを書きます。根拠がある情報だけを使います。編集権限は担当者、公開権限は責任者に限定します。同じFAQを複数ページへコピーせず正本を一つにし、他は参照します。自動回答に問題が出たら停止して有人案内へ切り替え、FAQ IDで二重登録を防ぎます。
FAQを実務で育てる方法
回答できなかった質問を記録する
確認済みFAQにない質問が届いたとき、AIに一般論で答えさせず、スタッフへ引き継ぎます。その質問を個人情報を除いて未回答一覧へ追加し、責任者が根拠を確認してから新しいFAQにします。質問が一度だけなのか、繰り返し届くのかも記録すると、追加の優先順位を決めやすくなります。
公開先ごとの表現を分ける
同じ事実でも、Webサイトは詳しい説明、店頭掲示は短い案内、スタッフ資料は確認手順というように用途が異なります。元になる事実は一つの正本に置き、各媒体向け文章は派生データとして扱います。営業時間や価格を変更したら、正本の更新後に反映先をチェックし、完了状態を残します。
公開前には、①回答の根拠、②確認者と確認日、③条件・例外、④公開範囲、⑤個人情報や防犯情報の混入、⑥同じ意図のFAQが既にないか、⑦古い回答を停止したか、を確認します。誤回答が見つかった場合は自動回答を停止し、修正と影響範囲確認が終わるまで有人対応へ切り替えます。
よくある質問
Q. 過去メールをそのまま使えますか?
個人情報や注文情報を除き、質問部分だけにします。
Q. AIに回答を任せられますか?
確認済みFAQの検索補助から始め、確定情報がない質問はスタッフへ渡します。
Q. 何件から始めますか?
件数より頻度を優先し、よく聞かれる質問から始めます。
Q. いつ更新しますか?
営業時間、価格、予約方法の変更時に更新し、定期確認日も設けます。
まとめ
FAQ作りでは、AIの文章力より正しい根拠、更新責任者、公開範囲が重要です。人が承認した一つの正本を使います。
公開前チェックリスト
- 根拠:回答ごとに公式メニュー、規約、責任者確認などの情報源がありますか。
- 適用日:料金や営業時間がいつから有効か分かりますか。
- 例外:繁忙期、臨時休業、個別相談など回答できない条件を示していますか。
- 公開範囲:防犯情報、個人連絡先、内部手順を公開回答から外していますか。
- 引き継ぎ:AIが答えられないときの連絡先や担当者が決まっていますか。
公開後は、回答できなかった質問と誤解された回答を記録します。件数を増やすだけでなく、古い回答を停止し、正本から更新できる運用を優先します。