AIで作った投稿は、文章が自然でも内容が正しいとは限りません。存在しない商品、誤った価格、間違った営業時間、未確定のキャンペーンなどが公開されると、お客さまの行動や店舗の信頼に影響します。発見後は慌てて証拠を消すのではなく、順番を決めて対応します。
要点
- 誤情報を見つけたら配信を止め、公開内容と影響範囲を記録します。
- 訂正方法は、表示された媒体と実際に影響を受けた人に合わせて選びます。
- 個人情報の漏えいが疑われる場合は、通常の投稿訂正ではなく事故対応へ切り替えます。
最初の10分で行うこと
1. 公開と自動配信を止める
予約投稿、連携ツール、再配信設定がある場合は停止します。1件を削除しても、別媒体や自動化から再投稿される可能性があります。Instagram、Googleビジネスプロフィール、LINE、Webサイトなど、公開先を一覧で確認します。
2. 記録を残す
投稿画面のスクリーンショット、本文、画像、URL、公開日時、発見日時、閲覧や反応の分かる範囲を保存します。証拠保全は責任追及のためだけでなく、影響範囲と原因を確認するために必要です。
3. 責任者へ共有する
担当者だけで判断せず、店舗責任者や広報責任者へ事実を共有します。個人情報や機密情報の漏えいが疑われる場合は、通常の投稿ミスとして処理せず、社内責任者や必要な専門家へ速やかに相談します。
訂正前に確認する3つの事実
- 何が誤っているか:価格、日時、商品、条件、場所、画像など
- 正しい情報は何か:誰が確認し、どの資料を根拠にしたか
- 誰に影響するか:閲覧者、予約客、購入者、取引先など
訂正文を急いで作るあまり、別の誤りを重ねないようにします。AIへ訂正文を依頼する場合も、確定事実だけを渡し、担当者が照合します。
想定例:存在しない限定メニューを投稿した場合
以下は実績ではなく、対応を説明するための想定例です。
富士市内の飲食店が、AIでInstagram投稿を作成したところ、入力していない「期間限定デザート」が文章に追加され、そのまま公開されたとします。
担当者はまず投稿の公開を止め、同じ文章がGoogleビジネスプロフィールやLINEにも配信されていないか確認します。次に、元の依頼文、AI出力、承認履歴、公開画面を保存します。すでに問い合わせがあれば、相手と内容を記録します。
訂正例:
先ほど掲載した投稿に、現在提供していない「○○」の記載がありました。当該記載は誤りです。訂正しておわびいたします。現在の提供内容は店頭メニューおよび公式Webサイトをご確認ください。
「AIが勝手に書いた」と責任をAIへ移す表現より、店舗として誤りを明確にし、正しい確認先を示す方が伝わりやすくなります。
訂正方法を選ぶ
投稿の修正
軽微な誤字で意味が変わらず、修正履歴を示す必要が低い場合に検討します。ただし価格や日時など、来店判断に影響する誤りは訂正を明示します。
削除して訂正投稿
誤情報の拡散を止める必要がある場合は、記録を残したうえで元投稿を非公開または削除し、訂正を投稿します。消しただけで終わらせず、すでに見た人へ正しい情報が届く方法を考えます。
個別連絡
予約、購入、来店など、誤情報をもとに行動した人が分かる場合は、公開訂正だけでなく個別に案内します。返金や補償が関わる場合は、店舗責任者が判断し、AIに約束させません。
コピペ可能:訂正文を作るAIへの依頼文
店舗の公開投稿に誤りが見つかりました。以下の確定情報だけを使い、訂正文の下書きを作ってください。原因の推測、責任転嫁、入力にない補償や約束は追加しないでください。
誤った記載:[内容]
正しい情報:[内容]
元投稿の公開日時:[日時]
誤りを確認した日時:[日時]
影響が確認できた範囲:[内容/未確認]
正しい情報の確認先:[Webサイト・店頭・電話など]
個別連絡の要否:[担当者が決定した内容]
次を作成してください。
1. SNS向けの短い訂正文
2. Webサイト向けの詳しい訂正文
3. 個別連絡用の文面
4. 公開前に人が確認する項目
再発防止は「誰が悪いか」ではなく工程を見る
原因を、AIの誤生成だけで終わらせないことが重要です。入力情報、参照資料、プロンプト、承認、投稿連携のどこで誤りを止められなかったかを確認します。
主な確認項目
- AIが入力にない商品や数字を追加した
- 古い価格表や営業時間を参照した
- 下書きと公開が自動でつながっていた
- 商品担当者の確認がなかった
- 複数媒体の内容を照合していなかった
- 訂正時の連絡先や責任者が決まっていなかった
再発防止策として、禁止事項を依頼文へ追加する、数字・固有名詞のチェック欄を作る、公開前承認を必須にする、自動投稿に停止スイッチを設ける、といった改善が考えられます。
漏えい・重大事故が疑われる場合
氏名、連絡先、予約情報、社内資料などが公開された可能性がある場合は、一般的な訂正投稿だけで済ませません。公開停止と記録保全を行い、責任者、システム管理者、必要に応じて法務・セキュリティなどの専門家へ連絡します。
何を公表するか、誰へ通知するかは影響範囲を確認して判断します。慌ててログや履歴を削除すると調査が難しくなるため、証拠を隠す行為は避けます。
よくある質問
Q. 間違った投稿はすぐ削除すべきですか?
拡散を止める必要がある場合は非公開や削除を検討しますが、その前に内容、URL、時刻などを記録します。削除だけで終わらず、訂正が必要か判断します。
Q. 「AIの誤りでした」と書けばよいですか?
AI利用の説明が必要な場合はありますが、それだけでは正しい情報が伝わりません。店舗として誤りと正しい内容を明示し、必要な対応を案内します。
Q. 反応が少なければ訂正しなくてもよいですか?
反応数だけで判断できません。価格、営業時間、安全、予約条件など、行動に影響する情報なら、閲覧数が少なくても訂正を検討します。
Q. 再発防止で自動投稿をやめるべきですか?
全面停止だけが方法ではありません。下書きまでは自動化し、公開前に人が承認するなど、誤りを止められる工程を設けます。
まとめ
AI投稿の誤りに気づいたら、公開停止、記録、事実確認、訂正、関係者連絡、原因分析の順で対応します。重要なのは、隠さずに正しい情報へ直し、同じ工程で再発しない仕組みを作ることです。
FUJI PRESSは、富士市の店舗に身近なAI技術パートナーとして、AI投稿の作成だけでなく、承認や訂正を含む安全な運用フローを一緒に整理します。