FUJI PRESS
メニュー
富士市×AI活用

売れているのに利益が残らない。AIと売上表を見直すときの最初の一歩

公開日: 更新日: 著者: 渡邉 泰弘

関連テーマ: AI活用、店舗DX、飲食店集客

この記事の要点

売上の大きい商品が、利益を同じように生むとは限りません。架空のメニュー別データを使い、AIで集計する手順、計算の確かめ方、数字だけで商品をやめない判断まで説明します。

週末は席が埋まった。料理もよく出た。それなのに、支払いを終えると余裕がない。「もっと売らなければ」と思う前に、今売れている商品の中身を見直してみませんか。

AIが得意なのは、店の経営を一言で診断することではありません。売上表を整理し、どこを人が確かめるべきか、数字を使って見つける補助です。

要点

結論:売上、粗利、手元のお金を混同しない

売上は販売した金額です。粗利は売上から売上原価を差し引いたものですが、そこからさらに人件費や家賃などの費用を考える必要があります。入出金の時期も違うため、粗利がそのまま預金残高に残るわけではありません。

本記事では、話を絞るために、メニューごとの売価と食材原価を使った簡易比較を行います。これは正式な決算や資金繰りの分析を代わりに済ませるものではありません。

ChatGPTで、何を手伝ってもらえるのか

OpenAIのデータ分析の公式ヘルプでは、表計算ファイルの集計やグラフ作成、Pythonを使った計算などが説明されています。また、列名を明確にし、一行を一つの記録にすること、分析の前提や出力を確認することを案内しています。

つまり、「売上を上げて」と頼むより、「商品別に販売数と原価を集計し、計算式も見せて」と頼む方が、確認しやすい結果になります。利用できるファイル形式や容量は、プランやアカウントなどによって異なります。

想定例:同じ売上でも、食材原価を引いた残りは違う

以下は説明用の架空データです。富士市の実在店の数字ではなく、実績や改善効果を示すものではありません。すべて同じ期間・税抜、値引き・返品なしとします。

計算は、売上=売価×販売数、食材原価を引いた額=(売価−一食の食材原価)×販売数です。合計売上196,000円、食材原価79,000円、差額117,000円となります。

BとCの売上は同じですが、食材原価を引いた額は違います。ただし、「だからCをやめよう」は早すぎます。Cが来店のきっかけになっている、調理負担が少ない、ほかの商品と一緒に注文される、といった情報は、この表にはありません。

また、この差額は、廃棄や包材などを含めていない簡易的な指標です。店全体の営業利益と呼ばないようにしてください。

AIへ渡す前にそろえる五つのこと

1.比較する期間をそろえる

一週間と一か月、通常営業と臨時休業を含む期間を、そのまま比べないようにします。月途中なら、途中であることを明示します。

2.商品名を統一する

「唐揚定食」「からあげ定食」が同じ商品なら、商品コードなどで統合します。ただし、内容量やセット構成が違うものを、名前が似ているだけでまとめてはいけません。

3.税、値引き、返品の扱いを決める

税込と税抜を混ぜず、実際に受け取った売上と通常価格を区別します。原価も同じ基準にそろえます。会計上の処理が不明なら、担当者や税理士に確認してください。

4.原価の更新日を残す

仕入れ値が変わったのに古い原価のままだと、見かけの利益が大きく出ます。何が含まれている原価なのかも書き、包材や廃棄などの未算入項目は隠さず示します。

5.分析に不要な情報を外す

商品別の集計に顧客氏名や電話番号は通常不要です。外部AIへのアップロードが認められるか、契約や社内ルール、データ設定を確認し、必要な範囲だけを使います。

そのまま使える分析の依頼文

この表はメニュー別の販売記録です。
最初に、列の意味、期間、税込・税抜、原価に含まれる費用を確認してください。
不足情報を勝手に補わないでください。
商品別に販売数、売上、入力された原価を引いた額を計算し、計算式を示してください。
合計を元データと照合し、重複や欠損があれば別に報告してください。
確認できる事実、可能性としての仮説、店主への質問を分けてください。
この表だけで値上げや商品の廃止を決定しないでください。

回答が長くなったら、「まず差額の大きい商品三つと、原価未確認の商品だけ」と範囲を絞れます。ただし、選ばれなかった商品が問題なしになるわけではありません。

AIの結論より先に、合計と一行を確かめる

集計結果の売上合計をPOSなどの元資料と照合します。次に一商品を選び、電卓や表計算で同じ式を計算してください。列の取り違えがあれば、細かな提案を読む前に直します。

AIが計算コードを使った場合も、計算式、対象行、除外条件は確認が必要です。数字が整っていることと、経営判断の前提が正しいことは別です。

値上げより先に検討できること

原価の高い商品が見つかったら、仕入れ条件、仕込みのロス、セット構成、提供に必要な作業などを確認します。量を無断で減らしたり、原材料の変更を隠したりするのではなく、お客様に伝える内容も含めて人が判断します。

改善を試す場合は一度に多くを変えず、対象、期間、確認する数字を決めます。売上だけでなく、提供負担やお客様の反応も残し、変化の原因を断定しすぎないようにしましょう。

よくある質問

Q. Excelが苦手でもできますか?

商品名、販売数、売価、原価を列にした小さな表から始められます。表の形を整えること自体をAIに相談しても構いません。

Q. 原価が分からない商品はゼロにしてよいですか?

いいえ。ゼロではなく「未確認」とします。ゼロ扱いすると、利益が大きく見える誤った比較になります。

Q. 粗利が高い商品だけ売ればよいですか?

集客、組み合わせ注文、提供能力なども関係します。一つの指標だけで、品ぞろえを決めないでください。

Q. AIだけで資金繰りも判断できますか?

この売上表だけではできません。支払時期、固定費、借入返済など別の情報が必要です。個別の会計・資金判断は専門家にも相談しましょう。

まとめ:忙しさを増やす前に、一枚の表を整える

今日できるのは、気になる三商品の売価と原価の更新日を確認することです。AIは、店主の感覚を否定するためではなく、確かめる材料をそろえるために使いましょう。

FUJI PRESSでは、富士市のお店が持つ表や記録を整理し、AIで何を見やすくできるか相談できます。経営や税務の最終判断と、データ整理の補助は分けて進めます。

関連記事と公式情報

参考資料

OpenAI:Data analysis with ChatGPT

確認日:2026年9月6日。架空の計算例は別途検算。サービスの機能説明と、店舗への応用案を区別しています。