要点
- LINEアンケートは需要を確定する調査ではなく、メニュー案への反応を小さく確かめる材料として使います。
- 質問数、対象、回答期間、特典条件を先に決め、回答者数と配信対象数を分けて記録します。
- 回答結果だけで仕入れを決めず、原価、提供能力、店頭の声、少量販売の結果と照合します。
LINEアンケートで「食べたい」という回答が多くても、その数だけ実際に売れるとは限りません。アンケートは仕入れ数を決める注文票ではなく、試作や少量販売の優先順位を決めるための判断材料です。
この記事では、プロラインフリーの「登録フォーム(アンケート)」に機能を絞り、富士市の飲食店が新メニュー調査を行う手順を解説します。カフェと郊外型飲食店を想定した2つの具体例も紹介します。
先に結論:アンケートと注文受付を分ける
新メニュー調査では、次の3段階を分けて記録します。
- アンケート回答:興味があるか
- 購入予約:買う意思があるか
- 実売:実際に購入したか
「興味あり100件」を「100食売れる」と判断すると、過剰仕入れや廃棄につながります。まずアンケートで候補を絞り、少量販売で実売を確認し、その結果を次回の仕入れに反映する流れが安全です。
プロラインフリーのアンケートでできること
プロラインフリーの登録フォームでは、自由記述、ラジオボタン、プルダウン、チェックボックス、日付、電話番号などの回答形式を設定できます。質問を必須にしたり、回答後に指定したシナリオへ移動させたりすることも可能です。公式マニュアルでは、正確な動作確認にはスマートフォン版LINEアプリの利用が案内されています。[1]
また、回答内容にスコアを設定し、スコアに応じて配信シナリオを分ける方法も公式マニュアルで案内されています。1回だけ回答させたい場合は、重複登録を禁止する設定も利用できます。[2]
ただし、新メニュー調査の初回から複雑な分岐を作る必要はありません。最初は「候補を1つ選ぶ」「購入意向を1つ選ぶ」の2問程度に絞り、回答後の案内も1通にすると検証しやすくなります。
回答しやすいアンケートの作り方
質問は2〜3問に絞る
回答者の負担を抑えるため、最初は次の構成が実用的です。
- どちらを食べてみたいですか
- 価格はいくらまでなら検討しますか
- 利用しやすい時間帯はいつですか
味、価格、量、提供時間、テイクアウト可否を一度に聞くと、何が支持されたのか判断しにくくなります。今回決めたいことを一つ選び、それに必要な質問だけを残します。
比較条件をそろえる
候補Aだけ写真がきれい、候補Bだけ価格が安いと、料理そのものではなく見せ方の差が回答に影響します。写真サイズ、価格表示、量、提供時間、販売予定期間を同じ形式で示してください。
「予約ではない」と明記する
アンケート冒頭に、次のような注意書きを入れます。
このアンケートは新メニュー検討のための意向調査です。回答によって商品の確保や購入予約が成立するものではありません。販売が決まった場合は、あらためてLINEでご案内します。
具体例1:富士駅周辺のカフェで秋デザートを選ぶ
想定する状況
富士駅周辺のカフェが、秋限定デザートとして次の2案を検討しているとします。
- A:富士産ほうじ茶のプリン 550円
- B:さつまいものバスクチーズケーキ 620円
アンケート文面例
質問1:どちらを食べてみたいですか?
- 富士産ほうじ茶のプリン
- さつまいものバスクチーズケーキ
- どちらも気になる
- 今回は見送る
質問2:利用しやすい時間帯はいつですか?
- 11:00〜14:00
- 14:00〜17:00
- 17:00以降
想定結果と判断
対象200人に配信し、60人が回答したとします。
アンケートではプリンが優勢でも、実売ではバスクチーズケーキが上回りました。この場合、「回答数が多い方を本採用」と即決せず、価格、写真、販売時間、店内滞在とテイクアウトの違いを振り返ります。
駅周辺店では、帰宅時間帯や短時間利用の需要が影響する可能性があります。回答時に選ばれた時間帯とPOSの販売時刻を照合すると、次回の仕込み時間を検討しやすくなります。
具体例2:富士市郊外の飲食店でテイクアウト弁当を試す
想定する状況
車での来店が中心の郊外店が、平日限定のテイクアウト弁当を検討しているとします。
- A:唐揚げ弁当 780円
- B:焼き魚弁当 850円
この店舗では味の人気だけでなく、「何時に受け取れるか」「駐車場から受け取りやすいか」が購入判断に影響します。
アンケート文面例
質問1:平日に購入を検討したい弁当はどちらですか?
- 唐揚げ弁当 780円
- 焼き魚弁当 850円
- 内容を見てから決めたい
- 購入予定はない
質問2:希望する受取時間はいつですか?
- 11:00〜12:00
- 12:00〜13:00
- 17:00〜18:00
- 18:00〜19:00
想定結果と判断
対象300人に配信し、90人が回答したとします。唐揚げ弁当への興味が50人、焼き魚弁当が25人、その他が15人でした。その後、各15食だけ予約販売したところ、唐揚げ弁当は12食、焼き魚弁当は15食が受け取られたとします。
この結果なら、回答数だけで唐揚げ弁当に一本化せず、焼き魚弁当は回答者数に対する購入率が高い可能性を検討します。あわせて、次の点を確認します。
- 希望時間帯と実際の受取時間
- 駐車区画と店舗入口の案内が分かりやすかったか
- 注文から受け取りまでの待ち時間
- 原価、容器代、調理負担を引いた利益
- 売り切れと廃棄の数
郊外店では「人気があるか」だけでなく、受取導線を無理なく運用できるかが継続判断の重要な材料です。
プロラインフリーで設定する手順
- 「登録フォーム(アンケート)」から新規フォームを作る
- 管理しやすい名称を付ける
- ラジオボタンでメニュー候補を設定する
- 必要なら受取希望時間を追加する
- 必須項目を最小限にする
- 回答後のメッセージを設定する
- プレビューを確認する
- スタッフのスマートフォンへテスト送信する
- 回答、完了メッセージ、管理画面への反映を確認する
- 対象を限定して本番配信する
回答別に案内を変える場合は、先に移動先のシナリオを作り、回答ごとのスコアと移動先を設定します。公開前には、すべての選択肢で意図した案内へ進むかをテストしてください。[2]
配信前チェックリスト
写真、商品名、価格、量、提供条件を確認した
「意向調査であり予約ではない」と明記した
対象者と配信目的をスタッフが説明できる
回答期限と販売予定時期を記載した
回答後のメッセージを設定した
スマートフォン版LINEで全選択肢をテストした
誤配信時に停止する担当者を決めた
回答データを閲覧できる担当者を限定した
実売をPOSや予約台帳で確認する方法を決めた
URLの使い回しに注意する
プロラインフリーでは、フォームURLに友だちごとのユーザーIDが反映される仕組みがあります。テスト送信で自分に届いたURLをコピーして不特定多数へ送ると、別の人の回答が同じユーザー情報へ紐づく原因になります。
公式マニュアルでは、テキストの「フィールド挿入」からフォームを選ぶか、画像・ボタンのクリック時アクションに対象フォームを設定する方法が案内されています。誰かに届いたURLをそのままコピーして配信しないでください。[3]
効果測定は「回答→予約→実売」で見る
最低限、次の数値を同じ期間で記録します。
「反応が10件」だけでは判断できません。「対象200人、回答60人、予約20件、実売18件」のように、段階と分母をそろえて記録します。
個人情報と自動配信の注意点
名前、電話番号、アレルギー情報などを集める場合は、取得目的、閲覧者、保存期間、削除方法を事前に決めます。調査だけなら、不要な個人情報を追加で集めない設計が基本です。
また、アンケート回答を理由に、価格、在庫、アレルギー対応、返金などを自動返信だけで確定しないようにします。販売条件は店舗が確認し、購入予約を受ける場合は別の受付手順を用意してください。
よくある質問
Q. アンケート結果だけで新メニューの需要を判断できますか?
回答者は配信対象の一部であり、実際の購入者全体を代表するとは限りません。原価、提供能力、店頭の声、少量販売の結果とあわせて判断します。
Q. 回答特典を付ける場合の注意点はありますか?
対象者、利用条件、期限、併用可否、数量上限を回答前に示します。特典の有無によって回答が偏る可能性も記録します。
Q. アンケートで個人情報を集めてもよいですか?
目的に必要な項目だけに絞り、利用目的、閲覧者、保存期間を明示します。メニュー調査に不要な属性や健康情報は集めません。
Q. 回答数が少ない場合はどう見ますか?
配信対象数、開封・閲覧条件、回答数、回答期間を分けて記録し、少数回答を全顧客の意見として一般化しません。質問文や対象を変える場合は変更履歴を残します。
まとめ
新メニューのLINEアンケートは、売れる数を当てるためではなく、少量テストの候補を絞るために使います。
- 質問を2〜3問に絞る
- アンケートと購入予約を分ける
- 少量販売で実売を確認する
- POSや予約台帳と照合する
- 利益と現場負担を見て継続を決める
プロラインフリーでは、登録フォームの作成、回答後のシナリオ移動、回答別の配信分岐を設定できます。機能や画面は変更される可能性があるため、導入時には公式サイトとオンラインマニュアルの最新情報を確認してください。[4][1]
Q. アンケートで1位のメニューは原則として販売すべきですか?
いいえ。原価、仕込み時間、厨房負担、アレルギー、安全性、実売テストの結果を確認して店舗が判断します。アンケート結果は判断材料の一つです。
Q. 回答者だけに販売案内を送れますか?
回答内容に応じてシナリオを分ける方法が公式マニュアルで案内されています。配信目的を明示し、希望していない人への過剰配信にならないように設定してください。[2]
参考情報(2026年9月26日確認)