要点
- アレルギー問い合わせは販促チャットと分け、使用食材・調理工程・交差接触の可能性を責任者が確認します。
- AIや自動返信は必要事項の聞き取りに留め、食べられるという保証や医学的判断を行いません。
- 回答できない場合の伝え方、記録する情報、保存期間、当日の最終確認方法まで運用に含めます。
食物アレルギーの問い合わせをLINEで受けると、電話対応を減らし、確認事項を整理しやすくなります。ただし、自動返信だけで「対応できます」「安全です」と確定する運用は危険です。
LINEとプロラインフリーが担当するのは、必要事項の受付、担当者への通知、確認状況の管理まで。最終回答は、最新の原材料、調理器具、揚げ油、作業場所などを確認できる店舗スタッフが行います。
消費者庁も、外食・中食では最新かつ正確な情報提供が誤食事故のリスク回避につながるとしており、対応範囲を最初に決めること、固定メニューと日替わりメニュー、予約、仕入れ、調理、料理提供など場面別に考えることを案内しています。[1]
結論:自動化するのは「受付と引き継ぎ」まで
富士市の小規模飲食店が最初に整えるべきなのは、高度な自動配信ではなく、次の役割分担です。
自動返信では、予約確定や安全保証をしません。「店舗で確認後、担当者から回答します」と明記します。
プロラインフリーでできること
プロラインフリーでは、フォーム・アンケートの作成、回答のタグ付け、配信分岐、1対1チャット、メモ・履歴を使った個別対応が案内されています。[2] 登録フォームでは質問形式を選び、項目ごとに必須設定ができ、回答者を指定したシナリオへ移動できます。公式マニュアルは、正確な動作確認にはスマートフォン版LINEアプリを使うよう案内しています。[3]
ただし、機能があることと、安全に回答できることは別です。アレルギー対応では、フォーム回答をもとに販促配信を自動で分岐させるのではなく、まず「要確認」として担当者へ引き継ぐ設計が適しています。
フォームに入れる項目
取得項目は必要最小限にします。
- 来店希望日と時間
- 人数
- 問い合わせ対象のメニュー
- 確認したい原因食物
- 店舗からの返信方法
- 「この送信だけでは予約・対応は確定しない」ことへの確認
- 店舗が原材料と調理環境を確認するために利用する旨への同意
症状の重さ、診断名、服薬歴など、店舗の判断に不要な情報まで一律に入力させない設計が重要です。LINEヤフーは、病歴などを「要配慮個人情報」の例として挙げ、取得・利用・提供では同意を得るなど十分な配慮が必要と説明しています。[4]
具体例1:卵アレルギーの子ども連れから定食の問い合わせ
想定する問い合わせ
富士駅周辺の定食店に、家族から「子どもが卵アレルギーです。唐揚げ定食は食べられますか」とLINEが届いたケースです。
自動受付
フォームでは「来店希望日」「対象メニュー」「確認したい原因食物」を受け付け、次の完了メッセージを返します。
お問い合わせを受け付けました。この時点では対応・予約は確定していません。原材料と調理環境を店舗で確認し、担当者からご連絡します。
店舗での確認
担当者は、唐揚げ本体だけでなく、下味、衣、調味料、付け合わせ、ドレッシングまで確認します。さらに、卵を使う料理と同じ器具や作業台を使うか、共通の揚げ油を使うかも確認します。
確認結果が「唐揚げの原材料に卵は使っていないが、同じ厨房・器具で卵を扱う」場合は、その事実を伝えます。「卵不使用なので安全です」とは言い切りません。
有人回答の例
確認したところ、唐揚げの使用原材料には卵を含むものは確認されませんでした。ただし、店内では卵を使用し、調理器具や作業場所を共用しています。完全な混入防止は保証できません。以上をご確認のうえ、ご利用をご判断ください。予約は別途、店舗からの確定連絡をもって成立します。
この例では、LINEが結論を出すのではなく、質問を整理し、確認結果を記録し、家族が判断できる情報を返す役割を担います。
具体例2:えびアレルギーのお客様から日替わりランチの問い合わせ
想定する問い合わせ
新富士駅近くの飲食店に、出張客から「明日の日替わりランチは、えびアレルギーでも利用できますか」と連絡が来たケースです。
自動受付
フォーム送信後、「日替わりメニューは仕入れにより内容が変わるため、当日の原材料確認後に回答する」と案内します。管理上は「アレルギー確認中」などのタグを付けても、販促配信には利用せず、担当者の確認漏れ防止だけに使います。
店舗での確認
前日の予定表だけで判断せず、当日の納品書、商品ラベル、だし・ソースの原材料を確認します。えびを揚げる日であれば、共通の揚げ油やトングを使うかも確認します。消費者庁は、季節・日替わりメニュー、原材料の仕入れ、注文受付、調理、料理提供をそれぞれ確認場面として取り上げています。[1]
予定していた食材が欠品し、近隣店舗で代替品を購入した場合は、過去の回答を流用しません。確認できない場合は、無理に「対応可能」とせず、確認できる別メニューの案内または対応困難である旨を伝えます。
有人回答の例
本日の日替わりランチは仕入れ変更があり、ソースを含むすべての原材料について、えび由来成分がないことを確認できませんでした。また、厨房ではえびを扱っています。そのため、本日は日替わりランチをアレルギー対応メニューとしてご案内できません。確認済みの別メニューについては、店頭またはLINEでご説明します。
「分からないことを分からないまま伝える」「対応できない場合は断る」ことも、安全な運用の一部です。
設定から運用までの手順
- 店舗が回答できる原因食物・メニューの範囲を決める
- 原材料情報の正本を、商品ラベル・規格書・仕入れ記録のどれにするか決める
- フォーム項目と利用目的を必要最小限にする
- 受付後は原則として「確認中」にし、自動で対応可否を返さない
- 厨房責任者または店長が原材料と調理環境を確認する
- 回答者、確認日、対象メニュー、確認した資料を記録する
- 来店当日に注文内容を再確認し、厨房とホールで共有する
- メニューや仕入先を変更したら、過去の回答文と予約済み案内を見直す
公開前のチェックリスト
自動返信に「予約・対応は未確定」と書いている
AIや定型文が安全性を断定しない
原材料だけでなく、器具・油・作業場所の共用も確認する
日替わり・季節メニューは回答の使い回しをしない
回答担当者と不在時の代替担当者を決めた
スマートフォン版LINEで入力から返信までテストした
取得目的、閲覧権限、保存期間、削除方法を決めた
緊急時の店内対応と連絡手順をスタッフに共有した
消費者庁は、外食・中食向け資料で意図しない混入(コンタミネーション)、誤食事例、症状、緊急時対応などを案内しています。運用ルールづくりとスタッフ研修に活用できます。[5]
効果測定は「売上」より「安全な引き継ぎ」
最初の1か月は、次の数字を記録します。
- 受付件数
- 担当者が回答するまでの時間
- 入力不足で再確認した件数
- 回答前に仕入れ変更が見つかった件数
- 回答漏れ・誤案内の件数
- 問い合わせ後に予約が確定した件数
たとえば「問い合わせ10件」だけでなく、「受付10件、当日中の有人回答8件、追加確認2件、予約確定4件、誤案内0件」のように工程別に見ます。安全に引き継げない運用なら、反応数が増えても改善が必要です。
よくある質問
Q. AIにアレルギー対応の可否を判断させてもよいですか?
判断させません。AIは質問項目や記録を整理する補助に留め、食材・調理工程を確認できる責任者が回答します。
Q. 同じ厨房で調理している場合はどう伝えますか?
共用する器具、油、作業台など確認できた事実と、交差接触を完全には防げない場合を明確に伝えます。安全を保証できないときは、その点を曖昧にしません。
Q. LINEで何を聞けばよいですか?
対象となる食材、希望メニュー、利用予定日、連絡方法など確認に必要な項目へ絞ります。診断名や不要な健康情報を過剰に収集しません。
Q. 問い合わせ記録はどのように扱いますか?
閲覧者、利用目的、保存期間、削除方法を決め、必要な担当者だけが扱います。当日の注文内容と回答記録を照合できる手順も用意します。
まとめ
LINEとプロラインフリーは、アレルギー問い合わせの受付項目をそろえ、確認漏れを減らすために使えます。一方、対応可否を決めるのはツールではなく、最新の原材料と調理環境を確認した店舗です。
まずは一つの問い合わせフォームと一人の確認担当者から始め、具体例のように「受付→店内確認→有人回答→当日再確認」の流れをテストしてください。
プロラインフリーを使ったLINE運用を検討している方は、こちらから登録・詳細確認できます。導入前に公式サイトとオンラインマニュアルで最新の機能・料金・仕様を確認してください。
参考情報
- 消費者庁|外食・中食での食物アレルギーについて
- 消費者庁|外食・中食での食物アレルギーについて(実践編)
- プロラインフリー公式サイト
- プロラインフリー|登録フォーム(アンケート)設定
- LINEヤフー|パーソナルデータ
参照日:2026年9月26日。仕様・制度・公開資料は変更される場合があります。